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今回は、ニッカウヰスキーの「シングルモルト余市」をレビューしていきます。
宮城峡と並ぶニッカの2大シングルモルトで、こちらは力強くスモーキーな方。北海道の余市蒸溜所で、今では珍しい石炭直火蒸溜で造られているウイスキーです。
この記事では、香りや味わいに加え、ストレート・ロック・ハイボールでの違いを紹介します。
この記事の結論
- 1焚き火のようなスモーキーさと、麦の香ばしいコクが楽しめる
- 2煙の奥には、りんごや柑橘のような果実の甘さもある
- 3いちばんのおすすめはハイボール。煙と果実の甘さのバランスが絶妙
- 4スモーキーなジャパニーズシングルモルトを探している人に
基本情報
| 商品名 | シングルモルト余市(ノンエイジ) |
|---|---|
| メーカー | ニッカウヰスキー(アサヒビール) |
| 蒸留所 | 余市蒸溜所(北海道余市町) |
| 産地 | 日本 |
| 分類 | シングルモルト |
| 度数 | 45% |
| 容量 | 700ml |
| 参考価格 | 7,700円前後(税込・2026年10月時点) |
| おすすめの飲み方 | ハイボール・ストレート |
余市とは
余市は、ニッカウヰスキーが北海道の余市蒸溜所で造っているシングルモルトです。創業者の竹鶴政孝が1934年に建てた、ニッカ最初の蒸溜所。スコットランドに似た冷涼な気候を求めて、この土地が選ばれたと言われています。
いちばんの特徴は、石炭を燃やしてポットスチルを直接加熱する「石炭直火蒸溜」。火力の調整が難しく手間もかかるため、本場スコットランドでもほとんど残っていない製法です。高温で蒸溜することで、香ばしさとコク、力強い酒質が生まれるとされています。
今回取り上げるのは、熟成年数を表示しないノンエイジのボトル。ピートのスモーキーさと麦の香ばしさに、オークの甘さや果実の風味が重なります。華やかでやわらかい宮城峡とは対照的な、骨太なウイスキーです。
ポイント
- 今では珍しい石炭直火蒸溜で造る、力強くスモーキーな原酒
- ピートの煙と麦の香ばしさに、オークと果実の甘さが重なる
- 熟成年数を表示しないノンエイジ、アルコール度数45%
ニッカのもうひとつのシングルモルト、宮城峡と、余市と宮城峡のモルトを合わせた竹鶴ピュアモルトは、別の記事で紹介しています。
香り・味・余韻
それでは、実際に飲みながら香り・味わい・余韻をチェックしていきます。
香り
グラスに注ぐと、まず焚き火を思わせるスモーキーな香りが立ち上がります。燻製のような香ばしさがあり、アイラモルトの海藻や薬品のような煙とは少し違う、乾いた煙の印象です。
煙の奥からは、りんごや柑橘のような果実の香りと、バニラや樽の甘さが出てきます。煙ばかりではなく、意外とフルーティな香りですね。
香りを強く吸い込むと、アルコールの刺激もはっきり感じます。ノンエイジらしい若さが、香りにも少し出ています。
味わい
口に含むと、力強く厚みのある口当たりで、麦の香ばしさとコクが広がります。ピートのスモーキーさがしっかりあり、ほんのりと塩気も感じられる味わい。
甘さは麦の甘みと、オークのやわらかな甘さが中心です。後からりんごのような果実の酸味も顔を出して、煙と甘さと酸味が重なっていきます。
45%あるぶん、舌にはピリッとした刺激があります。スモーキーで骨太な味なので、飲みごたえは十分ですね。
余韻
飲み込んだあとには、焚き火の煙とりんごの甘さがゆっくりと続きます。香ばしさがじんわりと残り、余韻は長め。
最後には樽のほのかな甘さと、ピートのドライな感じが残ります。煙たさが鼻に抜けていく飲み終わりで、スモーキーなウイスキーを飲んだ満足感があります。
飲み方別の評価
ストレート・ロック・ハイボールの3つの飲み方で試してみます。
ストレート4.0
そのまま飲むと、石炭直火ならではの香ばしさと力強さをいちばんはっきり感じられます。スモーキーさ、麦のコク、果実の甘さが重なって、ノンエイジとは思えない飲みごたえです。
熟成感は控えめで、アルコールの刺激もそれなりにあります。長期熟成のような丸さはありませんが、この荒々しさも余市らしさだと思います。
個性をそのまま味わうなら、まずはストレートがおすすめですね。
ロック4.0
氷を入れると、アルコールの刺激が抑えられて、りんごや柑橘のような果実感が前に出てきます。スモーキーさは少し落ち着き、甘さと煙のバランスが取れてマイルドになります。
飲みやすくなるぶん、ストレートで感じた力強さは少し弱まります。それでも煙と香ばしさはしっかり残っていて、水っぽくなることはありません。
ストレートの刺激が気になる人や、果実感を楽しみたい人には、ロックの方が合うと思います。
ハイボール4.5
炭酸で割ると、スモーキーな香りがふわっと広がり、その奥からりんごや桃のような果実の甘さと酸味が顔を出します。煙と果実のバランスがとても良く、ストレートのような重さはありません。
酸味が出るぶん後味は爽やかで、それでいて麦の香ばしさと塩気はしっかり残ります。45%あるので炭酸で薄まらず、最後まで味が保たれるのも良いところ。飲みごたえと爽快さが両立していて、ついグラスが進むハイボールですね。
ストレートの刺激が苦手な人でも、これなら余市の個性を楽しみやすいと思います。和食や焼き鳥のような、香ばしい料理との相性も抜群。3つの中では、ハイボールがいちばん好きな飲み方です。
余市のネットでの評判
ネット上の情報から、良い声と気になる声をまとめました。
良い声
- 石炭直火ならではの、力強くスモーキーな個性がある
- 煙だけでなく、りんごや柑橘のような果実感も楽しめる
- ストレートやロックで、ニッカらしさをしっかり味わえる
気になる声
- ノンエイジらしい若さや、アルコールの刺激が気になる
- 煙いウイスキーが苦手な人には、かなり飲みにくい
- 値上げで定価が7,700円になり、以前と比べて高く感じる
評価されていたのは、スモーキーさと力強さに、果実の甘さが重なる個性。「スコッチよりもスコッチらしい」と表現する声もあり、他のジャパニーズウイスキーにはない味わいが支持されています。おすすめの飲み方はストレートやロックを挙げる人もいますが、ハイボールをいちばんに推す記事も多く見られました。炭酸でフルーティさが際立ち、煙とのバランスが良いという評価は、自分の印象とも同じです。
一方で、ノンエイジの若さを指摘する声は少なくありません。熟成感が足りない、アルコールの刺激が強いという感想は、確認したレビューの中でも複数ありました。力強さと若さは表裏一体なので、ここは好みが分かれるところだと思います。
価格については、2024年の値上げで定価が7,700円になったことで、割高に感じるという声が目立ちます。実売は6,000円台後半が多く、定価よりは買いやすいものの、気軽に買い足せる価格ではなくなりましたね。
余市の評価まとめ
| ストレートおすすめ | 4.0 |
|---|---|
| ロック | 4.0 |
| ハイボールおすすめ | 4.5 |
| コスパ | 3.0 |
| 総合 | 3.9 |
焚き火のようなスモーキーさと、麦の香ばしいコク。その奥に、りんごや柑橘のような果実の甘さがある。「力強い」という言葉がよく似合う、個性のはっきりしたシングルモルトです。
飲むなら、まずはハイボールがおすすめですね。煙の香りと果実の甘さのバランスが良く、爽やかなのに飲みごたえもあります。石炭直火の力強さをそのまま味わうならストレート、果実感と煙を穏やかに楽しむならロックと、どの飲み方でも余市らしさは崩れません。
ノンエイジらしい若さや刺激はあるので、なめらかさを求める人には向きません。それでも、この価格帯でここまで個性のはっきりしたジャパニーズシングルモルトは多くないと思います。
こんな人におすすめ
- 焚き火のような、スモーキーなウイスキーが好き
- 個性のはっきりしたジャパニーズシングルモルトを探している
- スモーキーで飲みごたえのあるハイボールを飲みたい
おすすめしない人
- 煙たいウイスキーが苦手
- 山崎や白州のような、華やかでなめらかな味を求めている
- クセのない、すっきりしたハイボールでゴクゴク飲みたい
ハイボールで気軽に、ストレートでじっくりと、気分に合わせて楽しめるので、家に1本あると出番の多いボトルだと思います。
石炭直火が生む力強いスモークと、果実の甘さを楽しみたい人は、余市をぜひ試してみてください。
